泣きたい時はシャワーを頭から受け続ける。
私のちょっとした習慣。
気付いたら泣けなくなってて、気づいたらこんな方法をとっていた。
「…雨か。」
教室の窓からグラウンドを見ると雨が降っていた。
久しぶりの土砂降りだ。
(情景描写。)
心の中でひっそりと思った。
今まさに心の中は土砂降り。
泣きたくてたまらないのに、いつものごとく泣けない。
「あ…傘忘れた…」
これは土砂降りの中濡れて帰らなきゃいけないな、と覚悟をする。
授業が終わり、下校時間。
かばんができるだけ濡れないように胸に抱え、雨の中を歩きだす。
しばらく歩いてるうち、何かこみあげてくるものがあった。
なつかしい、感覚。
「…っ…っく…」
頬を雫が伝う。
雨か、涙かもわからない。
土砂降りの中、私は立ち止まって号泣した。


end.